ジグヘッドリグ(ジグヘッド+ワーム)は比較的安価に揃えられ、トラブルも少ないことから、初心者の方は、まずこちらから揃えるのがオススメです。
ジグヘッド=入門向けとは言うものの、各メーカーごとに形状・重量・フックの太さなどが様々で、違いや選び方が分からないという方も多いのではないでしょうか。
実際、釣り具屋のライトゲームコーナーでも、ジグヘッドはプラグ類と比較して数多くの商品が陳列されており、メインルアーとも言えます。
私は15年ほど前からメバリングを始め、東北各地のフィールドでジグヘッドを使い分けて、下は10㎝未満から上は50㎝以上(ゲスト)の魚を釣り上げてきました。
そこで、この記事では、ジグヘッドの種類と特徴について解説し、初心者の方がまず最初に購入するべきジグヘッドについて紹介していきます。
この記事を読むと、自分の釣りに合ったジグヘッドの選び方が分かりますので、ぜひ最後まで読んでください。
それではどうぞ
ジグヘッドの種類は形状によって3種類に分類される
ジグヘッドはフックとシンカー(オモリ)が一体となった仕掛けで、ソフトワームへフックと飛距離を出すためのシンカーを接続するために使います。
ソフトワームにジグヘッドのフックを刺してセットした仕掛けを、『ジグヘッドリグ』と呼び、ライトゲーム(メバリング・アジング)の基本ルアーになります。
ジグヘッドリグは、ヘッド部にあるアイにラインを直接ルアーに結ぶため、シンプルかつ感度が高い仕掛けです。
ヘッドの素材としては、鉛製とタングステン製が一般的です。
タングステンは高比重で、同じ重量だとコンパクトになるため、飛距離を出しやすいのがメリットです。
ただし、水の抵抗が少なくリグの存在感が曖昧になったり、若干高価になるというデメリットもあります。
ジグヘッドの種類としては、ヘッド部の形状に応じて3種類に分類することができます。
それぞれのヘッド形状ごとに、操作感や得意なアクション、合わせやすいルアーに違いがありますので、解説していきます。
ヘッド部が白や赤に塗装されているモデルもありますが、
アクションに違いが無いため、お好みで選択してください。
ラウンドヘッド:球型、弾丸型
代表ジグヘッド:【デコイ】ラウンドマジック 1.8g
ヘッド部分の形状が球型になっているタイプで、水流を全方向へ均等に受け流すことができます。
【主な特徴】
- 安定したスイミング姿勢になるため、ただ巻きアクションに向いている
- 不規則なダートアクションには不向き
- 小魚が安心して一定に泳いでいる姿を演出するのが得意
- シャッドテールやカーリーテールのワームと合わせやすい
- 前面をフラットに加工し、水受け面積を増やすことでリグの存在感を向上させる加工を施したルアーも販売されている
主に、魚が表層~中層に浮いている時に、
ただ巻きで広範囲を探ります。
アーキーヘッド:船型
代表ジグヘッド:【がまかつ】宵姫コブラ 1.5g
ヘッドの部分が船の先端のような形になっており、底面部が広く設計されているため、揚力が発生します。
【主な特徴】
- ラインテンションをかけてカーブフォールする時に、安定して水平フォールする
- フリーフォールでスパイラル状にフォールする
- スイミング時の浮き上がりが良く、同じレンジをゆっくりとリトリーブすることができる
- シェイクしながらリトリーブしたり、ボトムのリフト&フォールなど、ふわふわとしたアクションを付けてバイトを誘う
- ピンテールやストレートワームに合わせて、ゆらぎやイレギュラーなアクションを演出する。
魚が表層~中層に浮いている時に、
ふわふわとアクションを付けながら、広範囲を探ります。
ダートーヘッド:矢じり型
代表ジグヘッド:【ジャズ】尺ヘッドDX Dタイプ 3g
ヘッドの部分が矢じりのように尖った形状をしており、横方向の動きに対して水を受け流します。
【主な特徴】
- 左右にダートするワインドアクションができる
- ワインドより、小魚が逃げ惑うパニックアクションを演出できる
- ダートしやすい1インチ台のワームと組み合わせて、キレのあるアクションが出せる
- 魚にスイッチを入れ、反射的にバイトを誘うことができる
- シュラッグミノーと組み合わせ、捕食の間を作るブレーキングワインドのメソッドが使える
魚がボトムに沈んでいる時に、
ダートアクションで魚にスイッチを入れ、反射的に口を使わせます。
ジグヘッドの重量
メバリング・アジングといったライトゲーム向けのジグヘッドは、0.5g~5g程度の商品がラインナップされています。
重量が重ければ飛距離が出ますし、軽ければゆっくりとフォールさせたり、ゆっくりとリトリーブしても一定のレンジをキープすることができます。
選び方としては、釣り場の状況と自分が演出したいアクションに合わせて選択します。
- 魚のレンジ
表層であれば軽くする - 潮の流れ
潮の流れが早く、リグが浮き上がる場合は重くする - 風の強さ
風でラインがあおられ、リグが浮き上がる場合は重くする - 魚までの距離
魚が遠くにおり、飛距離が足りなければ重くする - ラインの太さ
ラインが太く、抵抗が大きい場合は重くする - 魚の反応がいいアクション
スローリトリーブに反応が良ければ、軽くして、よりゆっくりと誘う - 釣り人のスキル
初心者で軽量ルアーに慣れていない場合は重くする
特に初心者のうちは、1g未満などリグが軽すぎると、リグの存在感が無くなり、自分が何をやっているか分からない状況に陥ってしまいます。
これでは、釣りを楽しめないですし、何よりスキルアップすることができません。
「ルアーで魚を釣った!」ではなく、「何となく気づいたら釣れてた」になってしまいます。
ある程度慣れるまでは、1.5g以上のジグヘッドを使い、軽量ルアーの扱いについて練習を重ねましょう。
ロッドやリールの抵抗でリグの存在を把握できるようになったら、
軽量リグにチャレンジしましょう。
ジグヘッドのフックについて
ここでは、ジグヘッドに採用されているフックの形状と特徴について、解説します。
フックは奥が深く、いろいろなファクターがあるのですが、今回はメバリングで特に関係がある『ゲイプ』と『シャンク』、『フックの太さ』の3点について説明します。
結論としては、メバリング用のジグヘッドは、ストレートゲイプのロングシャンクのモデルを選べばOKです。
>>フックについては、別記事にて掘り下げて解説する予定です
また、フックの形状以外にも、針の色に金針を採用していたり、ワームがずれないようにキーパーが付けられていたり、生餌が付けられるジグヘッドも販売されています。
金針は特にアジに反応が良いので、あれば採用したいですが、そこまで重要度は高くありません。
自分の釣りに合ったジグヘッドを選べるようになった後で、アクセントとして考えてもらえばOKです。
ゲイプ:ストレート(フラット)ゲイプでOK
『ゲイプ』とは、フックの軸(シャンク)とフックポイントの幅のことです。
針先の角度の違いに応じて、3種類に分類されます。
メバリングに向いているのはストレート(フラット)ゲイプになります。
- オープンゲイプ
幅が広く、針先が外側に開いている - ストレート(フラット)ゲイプ
針先がフックの軸と平行である - ナロー(クローズ)ゲイプ
幅が狭く、針先が内側に閉じている
【オープンゲイプ】
- リフト&フォールで主体狙うアジングで多く採用される
- 魚の吸い込みバイトに対して口のどこかにフックが刺さり、吐き出しにくくなるため、あわせを入れる時間を作り出す事ができるのがメリット
- 一方、リトリーブ主体で使うメバリングの場合、ルアー後方からのバイトに対し、口の中にフックが入りにくなるというデメリットがある
- 針先が外側を向いている分、根がかりには弱いので、針先のチェックは欠かせない
【ストレート(フラット)ゲイプ】
- リトリーブで主体狙うメバリングで多く採用される
- ルアー後方からのバイトに対し、口の中にルアーが入りやすく、フッキングが決まりやすいというメリットがある
【ナロー(クローズ)ゲイプ】
- ボトムを攻める根魚や地磯など障害物が多いフィールドの釣りに採用される
- フックが貫通してしまえばバレにくく、フックポイントが内向きなため根がかりしにくい点がメリットがある
- アワセを入れると、ルアーが魚の口からズリズリと出てきたところでフッキングするため、ルアーを飲まれにくく、魚の鋭い歯からラインを守ることができる
- メバリングにおいては、頻繁にボトムを取る場合に選択肢となる
シャンク:ロング(ストレート)シャンクでOK
『シャンク』とはフックの軸のことで、シャンクの長いフックを『ロングシャンク』、短いフックを『ショートシャンク』と呼びます。
メバリングに向いているのは、ロング(ノーマル)シャンクになります。
【ロング(ノーマル)シャンク】
- 全体に細長い形状となるため、後方からの魚のバイトに対し、フッキングがしやすいというメリットがある
- リトリーブ主体で狙うメバリング向けに多く採用されている
【ショートシャンク】
- 全体にコンパクトな形状で、下からの吸い込みに対して口の中にフックが入りやすくなる
- ワームにフックを差し込む幅が短くなるため、ワームの可動域が大きくなり、よりナチュラルな波動が出る
- リフト&フォール主体で狙うアジング向けに多く採用されています。
フックの太さ:狙う魚のサイズに合わせて
フックの太さは、狙う魚のサイズに合わせて選択します。
細軸は、フックの抵抗が小さいため、小さいパワーでも魚の口を貫通してフッキングできるメリットがあります。
しかし、身切れしたり、強度不足により魚とのファイトにより折れるというデメリットもあります。
初心者の方がメバリングを行う港湾周りであれば、魚のアベレージも小さいため、どちらかといえば細軸のフックの方が快適に釣りができます。
一方、太軸のフックは子メバル・豆アジにはなかなかフッキングしませんが、大物とのやり取りでは抜群の安心感があります。
30cm以上のメバルやアジが普段から狙えるという状況であれば、中太~太軸のフックの使用をオススメいたします。
私の経験ですが、30㎝以下の魚とのファイトでは、細軸のフックであっても曲がったりしたことはありません。
しかし、40㎝オーバーのショゴ・ベッコウゾイを抜きあげた際に、細軸のフックは延ばされ、フックを外す際に折れてしまいました。
プロを含め、魚に一番近いフックにこだわるアングラーは多いです。
初心者にオススメのジグヘッド:湾岸PROヘッド
初心者の方にオススメするジグヘッドは、「オーナーばり」から販売されている『湾岸PROヘッド』になります。
ラウンドタイプですが、側面がフラットなヘキサゴン断面となっており、ただ巻きだけでなく、強くしゃくればダートするオールラウンドなジグヘッドです。
「これだけで全て出来る!出来ない事は何もない」というキャッチコピーのとおり、汎用性が非常に高く、とりあえず揃えておいて間違いありません。
重量は1.0g、1.5g、2.0g、3.0gを1個づつ購入すれば、軽量ルアーの練習や水深が深いポイントにも対応できますので、ぜひ購入して釣り場で練習してみてください。
まとめ
最後に、この記事で解説した内容をおさらいしましょう。
今回は、
- ジグヘッドの種類
- フックの選び方
- 初心者にオススメのジグヘッド
について、説明しました。
解説した内容を実践すれば、初心者の方でも釣り場の状況に合わせたジグヘッドを選択し、快適にトラブルなく、メバリングができるようになります。
結論としては、初心者の方は、『ストレートゲイプ』の『ロングシャンク』のモデルを選べばOKです。
とはいえ、いきなり軽量リグを使いこなすことは難しいと思いますので、まずは初心者の方にオススメのジグヘッドを購入し、釣り場で練習してみてください。
まずは、1.0g、1.5g、2.0g、3.0gを1個づつ購入すれば、軽量ルアーの練習や水深が深いポイントにも対応できますので、ぜひ購入して釣り場で練習してみてください。
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